本科-1
もしもボックス広告作成:ドラえもんの秘密道具「もしもボックス」の広告作成。これまでみっちりトレーニングしてきたLanguage Arts (ランゲージ・アーツ、またの名を「伝わる技術」)の効果がメキメキ現れていることをヒシヒシ感じた1ヶ月でした。「ここは改行したほうがいい?」「ドッキリマークをつければ読みやすいかも」「全世代に伝える広告だよ、子どもはこの言葉遣いでいいけど、大人はこれだとバカにされてると思うんじゃないかな…」グループワークから聞こえてくる意見はどれも相手目線に立った、細やかで愛情に満ちたもの。講師はもはやオブザーバーとして「聴いている」だけ。生徒たちの自主性、深い学びを実践できる力、前のめりの姿勢…身をよじるほど嬉しかったです。
「最初から最後まで」と「すみからすみまで」の違いとは:この二つの違いは何?とある時宿題に出したのですが、生徒たちが出してきた答えは「さすが」の一言。「最初から最後まで、というとたとえばそこにある文字を最初から最後まで読む、という感じ。すみからすみまで、は字だけでなく、写真や色もちゃんと見るという感じになる」「 すみからすみまで読む、といった方が自分から読んでいる感じがある」「最初から最後までは、物語の始まりから、物語の終わりまで読むことで、すみからすみまでは、目次から、出典まで見る事ことだと思う」。言葉への意識がますます磨かれています。
リーダーシップ実践:今月から、グループワークをするときはリーダーを講師が指名しています。今日は〇〇さんがこのグループのリーダーね、よろしくね、と伝えます。リーダーとは何をする人なのか、言葉にもしてもらっています。心に残ったのは「リーダーは、みんなを支える人」というある生徒の答え。色々なリーダーシップのスタイルを間近で経験、試行錯誤することで「次世代リーダー」の勘どころを自分のペースで手にしてもらいたいです。
本科-2
認知バイアス:ある時、宿題で講師が出した問いを複数の生徒が同じように読み違えるという事態が勃発。良い機会と思い、「認知バイアス(思考の偏り、思い込み)」について学びました。クイズにたくさんチャレンジしながら「どんな時に思い違いは生まれるのか」という基礎的なことを理解してくれたと思います。バイアスは「悪」ではありません。でもバイアスのからくりを知っていれば思考は必ず研ぎ澄まされます。
「書かされる」ではない「書く」を:「書き言葉」についてディスカッションしていたとき、ある生徒が何気なく口にした「学校で作文とか書かされるときは」という言葉。日本の教育現場では「書く≒楽しくないこと」 という図式が強くあるのでは、と気づかされました。「書く」は、人と人がつながるための大事なコミュニケーション手段。なのに、私たち大人がその大事な手段をないがしろにしてきたのではないでしょうか。「書く」を「おしゃべり」と同じぐらいワクワクするものに。思わず書きたくなる内容をまず話し言葉調で書き、よりフォーマルな書き言葉に書き換えるというタスクを始めました。
イスラエルとパレスチナ:朝日中高生新聞がテキストのMJでは、どんなに難しい社会問題も「小1に説明できるように」と指導しています。今月特に力を入れたのはイスラエルとパレスチナの問題。小1に説明するためには語彙だけでなく、相手の立場に立って詳細を「捨てる」勇気も必要です。以下、生徒たちの説明を一部紹介します。「アラブ人とユダヤ人という2つの人々の間で、場所の取り合いをしている」「国と国が地面と空と水を奪い合っている」「今、イスラエルでは、アラブ人という人達たちとイスラエル人と呼ばれる人たちが、自分たちの住むところを取り合っていることが起こっています。理由は、ユダヤ人の人たちがイスラエルに自分たちの国を持ちたいということで、そこにいたアラブ人の人たちを追い出して、自分たちの国を作ってしまったから、その場所をめぐって喧嘩をしているのです」
(狩野みき)
0 件のコメント:
コメントを投稿