LAMJ-B
Show & Tell(見せてお話し):LAMJ-B、今月の一大のプロジェクトは「Show & Tell(見せてお話し)」でした。Show & Tellはアメリカの小学校などではお馴染みの、自分のお気に入りを持参してそのモノに対する想いを大いに語るプレゼンテーション。何を見せたいのか、聴衆は何を聞きたいと思うのか、なぜそれがお気に入りなのか、いちばんの思い出をセリフ入りで語るとしたら—大注目の「ストーリー・テリング」の手法もまじえ、丁寧に準備を重ねました。そして迎えた発表当日。本当に素晴らしい発表でした。一人ひとりの個性がしっかりと伝わってくる、その人にしかできない語りに心が震えました。準備もしっかりやって、オンラインならではのアイコンタクトにも挑戦して。本当に素敵でした。お疲れさまでした。
「 」の効能:Show & Tellをするにあたり、人の「セリフ」に注目しました。テキストとしている朝日中高生新聞には毎回たくさんの「 」(カギカッコ)が登場しますが、「 」がついている=誰かのセリフ とは限りません。「 」の役割とは?人が言ったことじゃないのになぜ「 」がついてるの?ディスカッションしました。
難しい言葉を小1に説明:朝日中高生新聞に毎回登場する難しい言葉たち。主体的に読んでもらうため、そして語彙を増やしてもらうために、難しい言葉は「小1に説明して」といつも言っています。今月は小6の生徒たちに「肩書」「表舞台で持ち上げられる」「難民」などを説明してもらいました。辞書は良いものをしっかり引くこと、文脈をしっかり理解してこそ言葉の意味が決まることをだんだん理解できるようになってきました。
LAMJ-A
インクルーシブとは、「普通」とは:テキストとしている朝日中高生新聞にインクルーシブの特集があったことを受け、今月の前半はインクルーシブと「普通」について様々な角度からディスカッションしました。「インクルーシブを小1に説明するとしたら」という問いに始まり、障がいがある人を「普通」に寄せることの是非、「普通」の定義、ネルソン・マンデラが謳った「虹の国」と「インクルーシブな国」は同じなのか違うのか—たくさんのディスカッションを経てインクルーシブの意義を深掘りしました。
詩を好きになる:今月後半のLA(Language Arts—分析と議論を重ねることで辿り着ける言葉の技術のこと)では米津玄師の『灰色と青』の歌詞を取り上げました。詩を普通の文に書き直してみる、わかるわからないは別にして気になる表現を探してみる、登場人物の年齢を探偵よろしく推理してみる、詩に使われている言葉を他の言葉に置き換えてみる—色々チャレンジしました。詩が苦手という人は多いです。チャレンジと話し合いを通して、詩は「わかる」以前にそれぞれの感覚と根拠で「味わう」もの、と気づいてくれたでしょうか。
米津玄師の言葉の技術を盗む:『灰色と青』の歌詞には実におもしろい表現がたくさんあります。生徒たちは毎月提出する「LAノート」に気になった表現をリストアップし、なぜその表現が好きなのか、他の言葉に変換すると印象はどう変わるのか、それぞれの言葉の音の響きはどうか…考え、実践しました。日本の「国語」では言葉の意味を云々することがもっぱらで、一つひとつの言葉が持つ「音」「風合い」に注意を向けることは稀です。どの文化の言葉もまずは「話す」「聞く」から生まれました。意味だけでなく「響き」を意識することには大きな意義があります。今後生徒たちが学校などで書く作文には米津節だけでなく、これまでLAで扱った赤川次郎・江國香織両氏の、響きの効果も考えた「プロの言葉の技術」が煌めくことになると思います。